2007年4月5日木曜日

ファンあってのプロ野球

夕方、たまたまNHKテレビを見た。琴冠佑(ことかんゆう)という力士がいた。最も遅い出世で新十両に昇進し、昨秋40歳7か月で引退した。現役力士では45歳の序二段・一ノ矢に次ぐ最年長だった。出世の遅い力士ゆえ目立つ存在ではなく、もちろんファンもいなかった。そんな琴冠佑が新聞に紹介された記事を偶然に読んだ読者のひとりがファンになった。広島に住む栗栖晶(くりす・あきら)さんがその人。知的・身体的障害をもつ、この30歳の青年が強力な味方になり琴冠佑にいつも手紙を綴り、琴冠佑に勇気を送りつづけた。一方の琴冠佑も、障害に悩む晶さんを支えつづけた。「親戚の結婚式に呼ばれることがない。寂しいけど仕方がない。でもワシの存在自体を忘れられるのはイヤ。みんなと同じ空気を吸って生きているんじゃけえ」。時に挫けそうになる晶さんに「前を向いて生きよう!」と、琴冠佑が語りかけていた。夜のニュースでは、ホワイトソックスの井口資仁が心臓手術のために渡米した少年の病室を突然に訪れ、激励したという報道があった。その少年、以前から井口選手の大ファンで、これから難手術に向かうに際し、「大きな勇気」をもらうことができたのだと思う。プロスポーツ選手。かように、ファンに与える影響力は大きい。残念なことに、西武ライオンズの発表では、新たに5人の選手に「裏金」を渡していたということらしい。公式戦が始まった今、該当する選手は気が気ではないだろう。その選手名、いま公表すべきか否かが話題になっている。でも、問題はそんなことではなく、プロスポーツはファンに支えられているということを、まず再確認し根本から立て直すことだと思う。

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